日本の医療制度を外国人向けにやさしく解説
日本で暮らす外国人にとって、医療制度の仕組みは非常に重要な知識です。体調を崩したときや、病院に行くときに不安なく対応できるように、この記事では以下のような点をやさしい日本語でわかりやすく解説します。

✅ 日本の医療制度ってどんな仕組み?
日本では、すべての人が何らかの健康保険制度に加入する仕組みになっています。これは「国民皆保険制度(こくみんかいほけんせいど)」と呼ばれています。
2つの主要な保険制度
保険の種類 | 説明 | 対象 |
---|---|---|
健康保険(けんこうほけん) | 会社などに勤めている人が入る | 会社員、パートタイマーなど |
国民健康保険(こくみんけんこうほけん) | 自営業、学生、無職の人が入る | 留学生、フリーランス、家族など |
👉 どちらの保険でも、医療費の自己負担は原則3割(30%)です。
🏥 病院の種類と使い方
日本にはどんな医療機関があるの?
種類 | 説明 | 例 |
---|---|---|
クリニック(診療所) | 小さな病気やけがに対応。予約なしでOKなことが多い。 | 内科、皮膚科、耳鼻科など |
総合病院 | 多くの診療科がある。紹介状が必要なことも。 | ○○病院、大学病院など |
救急外来(ER) | 緊急の場合に利用。夜間・休日も対応。 | 救急病院 |
🔴 注意:日本では軽い症状では救急車を呼ばないのがマナーです。
📝 保険証の使い方
病院に行くときは、必ず**保険証(ほけんしょう)**を持って行きましょう。
【持ち物リスト】
✅ 保険証(健康保険証または国民健康保険証)
✅ 現金またはクレジットカード(診察料を払うため)
✅ お薬手帳(あると便利)
保険証を見せることで、医療費の7割が自動的にカバーされます。 つまり、実際に支払う金額は全体の3割だけです。
🌍 外国人が医療費で注意すべきポイント
外国人として日本に住んでいる場合、次のような場面で医療費のトラブルが起きやすいです。事前に知っておくことで安心です。
🔶1. 保険に未加入だと「全額負担」
多くの留学生や短期滞在者が陥るのが「保険に加入していなかった」というケースです。この場合、医療費は**10割自己負担(100%)**となり、以下のような金額になります。
病気・ケガ | 全額負担の例 |
---|---|
インフルエンザ検査と薬 | 約9,000円〜12,000円 |
軽い骨折の治療 | 約30,000円以上 |
胃カメラ検査 | 約20,000円〜40,000円 |
🔴 保険に加入していないと、高額な費用になるので注意しましょう。
🔶2. 長期滞在者の「再加入」忘れ
一時帰国や引越しのあとに、保険の再加入手続きを忘れてしまう人もいます。保険は「自動更新」ではありません! 住民票の移動時などには必ず窓口で再確認を。
💬 多文化共生に向けた医療支援も進化中!
日本では、多様なバックグラウンドを持つ外国人が増えており、医療現場でもそれに対応する取り組みが進んでいます。
🧭 代表的な支援サービス
サービス名 | 内容 | 対応言語 |
---|---|---|
AMDA国際医療情報センター | 医療通訳や医療機関の案内 | 英語、中国語、韓国語など |
東京都外国人相談センター | 健康・生活・法律相談など | 多言語対応(10言語以上) |
各自治体の国際交流協会 | 医療通訳ボランティア派遣 | 地域により異なる |
🚨 緊急時の対応マニュアル
外国人にとって救急車や夜間対応は特に戸惑いやすいポイントです。以下の手順を覚えておきましょう。
【救急のとき】 ① 119番に電話(英語対応あり) ② 「ケガです」「病気です」と伝える
③ 住所・名前・電話番号をはっきり言う
④ 救急車が到着するまで待機
🚑 Point:軽い症状では救急車を使わないのがマナーです。
また、日本では「#7119(救急相談センター)」を使えば、医師や看護師が緊急かどうかを判断してくれます(対応地域限定)。
📚 医療費の支払いに困ったときは?
生活が厳しく、医療費の支払いが困難な場合でも、次のような公的サポート制度があります。
🧾 医療費減免制度
- 市区町村の福祉課に申請
- 所得が少ない人、災害・失業などで生活が困難な人が対象
- 減免額はケースにより異なる
🔴 申請には、住民票、収入証明、診断書などが必要なことがあります。
🧑🏫 外国人向けの医療制度セミナー・情報冊子
自治体や国際交流団体では、定期的に医療制度の勉強会や説明会を開催しています。さらに、多言語に対応した医療制度ガイドブックも無料で配布されています。
- 例)「やさしい日本語で読む医療の本」「外国人のための健康ハンドブック」
- インターネットからPDFでダウンロード可能
✈ 海外旅行や一時帰国中の注意点
健康保険証は日本国内でしか使えません。 そのため、一時帰国中や海外旅行中に病気になった場合は、海外旅行保険やクレジットカード付帯保険などが役に立ちます。
🔴 日本に戻ってからも、手続きすれば一部の医療費が返金される場合があります。
💡 よくある質問(FAQ)
Q1. 外国人でも保険に入れますか?
👉 はい、日本に住民登録していれば、全員加入が義務です。
Q2. 日本語がわからなくても診察してもらえますか?
👉 通訳付き病院や、英語対応の医師がいる施設を選ぶことで可能です。
Q3. 薬代も保険でカバーされますか?
👉 はい、処方箋によって処方された薬にも保険が適用されます。
📌 日本での医療費の一例
以下は自己負担額の目安です(保険適用時・3割負担の場合)。
診療内容 | 実際の費用 | 自己負担額(目安) |
---|---|---|
風邪の診察+薬 | 約5,000円 | 約1,500円 |
歯の虫歯治療 | 約8,000円 | 約2,400円 |
整形外科(肩こり) | 約6,000円 | 約1,800円 |
🔴 保険がないと、これらの費用はすべて全額自己負担になります!
🌱 医療制度を正しく理解して安心生活を
日本の医療制度は、安心して医療を受けられる環境が整っています。 しかし、制度を正しく理解し、必要な準備をしておくことで、万が一のときに慌てずに済むのです。
🎯 要点まとめ(赤字強調)
- 🔺 すべての外国人も医療保険に加入義務がある
- 🔺 未加入だと全額自己負担で非常に高額になる
- 🔺 保険証を提示すれば医療費は3割負担で済む
- 🔺 多言語対応病院や医療通訳の制度を活用しよう
- 🔺 救急車の使用は本当に緊急のときだけに!
🌟日本の医療制度を正しく理解し、しっかり活用することで、外国人でも安心して生活できる社会が実現できます。